抗リウマチ薬について
2024/11/10
今日は抗リウマチ薬のお話。簡単に。
最近はJAK阻害薬やTNF-α阻害薬がメインになってきている抗リウマチ薬。当薬局でよく出るJAK阻害薬はリンヴォック、ジセレカ、オルミエント、TNF-α阻害薬はアダリムマブとエタネルセプトの自己注射薬。
まず、JAK(janus kinase)に関しては細胞膜に存在するサイトカイン受容体の細胞内部分で受容体とJAKが非共有結合で複合体を形成している。サイトカイン受容体にサイトカインが結合するとシグナルがJAKに伝達され、JAK自身がリン酸化・活性化され、次いでSTAT(signal transducer and activator of transcription)がリン酸化・活性化し二量体を形成する。二量体を形成したSTATは核内へ移行しさらなる転写を活性化し、T細胞の増殖や炎症性サイトカインの産生が亢進する。JAK阻害薬は名前の通りJAKのリン酸化を阻害することにより、JAK以降の活性化を抑制することになり結果として炎症性サイトカインの増殖、T細胞の増殖を抑制し炎症を抑える働きがある。これがリウマチ性疾患に有効な効果となる。
次に、TNF-αだが、生体防御因子の一つともいわれており免疫や炎症に深く関係しているタンパク質である。しかし、何らかの原因でTNF-αが過剰に産生されてしまうとTNF-α自身による組織を刺激して炎症を惹起するだけでなく、炎症性サイトカインの産生を促し、間接的に炎症を引き起こす。TNF-α阻害薬はTNF-αに対する抗体でありTNF-αに結合することによりTNF-αと細胞との結合が阻害され細胞が惹起する炎症反応を抑制することができる。
csDMARDではMTXやイグラチモドも現在使用されている抗リウマチ薬だが、また別の機会にブログに載せようと思います。
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ゆうてんじ薬局
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