関節リウマチにおけるメトトレキサートの効果
2024/07/16
こんにちは。日本リウマチ財団リウマチ登録薬剤師です。薬局開業後、関節リウマチの患者さんが多く来局されてメトトレキサート(MTX)を調剤することが多くなりました。そこで、MTXの薬理を改めて勉強しなおそうと色々文献を読んでみている今日このごろ。
大学ではMTXは葉酸代謝拮抗薬としてジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)を阻害してジヒドロ葉酸(DHF)からテトラヒドロ葉酸(THF)への代謝を阻害すると習ったのだが、、、このほかにもMTXは体の中に入るとFPGSによりグルタミン酸化されてMTXにグルタミンが1〜4個程度くっついたMTX-PGとして存在するようになる。このMTX-PGがチミジル酸合成酵素(TYMS)を阻害してdUMPからdTMPへの変換を阻害して1.5-MTHFの生成を阻害することにより最終的にTHFの合成ができなくなることによって炎症性サイトカインの産生が抑制される。この辺はたしかde novo合成やらサルベージ経路やらに出てたような、、、(全く覚えていないため復習しようと思いました)。MTXには大学では習っていないJAK/STAT経路でSTAT1とSTAT5のリン酸化を抑制する効果もあるらしい!これは絶対に大学では習っていない!!!なぜなら大学時代にはJAK/STAT経路は確立されていなかったからである。このJAK/STAT経路はアトピー性皮膚炎、潰瘍性大腸炎などにも非常に関連がある炎症を誘起させる反応である。さらにMTXには関節の滑膜を破壊するMMP-3という酵素を抑制する効果もある。やはり関節リウマチにおいてMTXはアンカードラッグであると再認識させらた。
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