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EBMer/EBMeducation育成フェローシッププログラム2024

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EBMer/EBMeducation育成フェローシッププログラム2024

EBMer/EBMeducation育成フェローシッププログラム2024

2024/07/20

EBMer/EBMeducation育成フェローシッププログラム

論文の批判的吟味

 こんにちは。ゆうてんじ薬局です。私は2022年にプライマリ・ケア連合学会のプライマリ・ケア認定を取得しました。プライマリ・ケア連合学会では医師、看護師、薬剤師の教育のために定期的に研修会が開催されています。私は毎年、勤労感謝の日に開催されているEBMの勉強会に参加しているのですが、EBMを使いこなすことは薬剤師にとってとても重要なことだと思っております。ですので年に1度だけでは物足りないため今年はEBMの育成フェローシッププログラムに参加しました。このプログラムは医師が大半なのですが薬剤師も数名参加しており勉強になるだけではなく良い刺激になっています。もちろん普段のプライマリ・ケアの研修会も参加する度にモチベーションが上がります。

 EBM育成フェローシッププログラムは今月は論文3本を批判的吟味するという内容でした。実際には時間が足りず2本しか読めなかったのですが、そのうちの1本にアスピリンとクロピドグレルのHead-to-headの比較試験の論文がありました。この試験は治験参加者と治療実施者を隠蔽化しているダブルダミー法を採用したランダム化比較試験です。論文を細かく読むと4重盲検でした。Drの方々が言ってくださらなかったら気付かなかったです。主要評価項目はアスピリン内服に比べてクロピドグレルは虚血性脳卒中、心筋梗塞、血管死のリスクを減らすかという内容です。ここで重要なのは単純に減らすかどうかの結果だけを見るのではなく、試験参加者の被験者群とプラセボ群のcharacteristicsは類似しているか、隠蔽化や盲検化されているかなどをプログラム参加者とディスカッションをし、最終的にRRやRRR、ARRを計算しNNTを出すというものです。

 もう一本は小児に対するDextromethorphan(DXM)の鎮咳効果を見る論文でした。この試験の被験者は6〜11歳の一般的な風邪で咳がある子が対象でした。最終的に131人の子供が試験に参加し、同意の撤回やデータが取れなかった方が3名いたためFAS解析で解析されました。この論文だとDXM群の1時間あたりの咳の回数はベースラインで50.4回±SD46.7回、DXM服用開始1回目から2回目の咳回数は1時間あたり平均32.7回Range[0.3〜74.9回]、服用3回目から4回目19.3回Range[0.3〜68.7回]でした。結構咳の回数を減らすなと思っていたのですが、この論文の除外基準に重症な方は除外されており、この論文の評価を持って本当に咳止めが必要なのかをディスカッションしておりました。

 医師はこうしたエビデンスを駆使しして日頃から患者様一人一人に最適な薬物治療を考えているのだと思います。薬剤師は医師が処方した薬剤をエビデンスをもとにしっかりと説明する責任があると思っているので今後もEBMの勉強を続けていこうと思います。

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